【ペトロフ】
ピアノメーカーである。
恥ずかしながら防音の仕事をするまで、知らなかった名前である。
一番最初にサウンドデザインの依頼を受けたピアノが実はペトロフであった。
『ペトロフ』、聞いた事のない名前だった。
何件か楽器店を回り尋ねると、軒並み良い評価ではない。
サウンドデザインを施した部屋に新品のペトロフが搬入される。
ベテランのピアノ技術者が慎重に正確にペトロフに調整を加える。
「落ち着くまで時間がかかりますが、」 と、技術者の注釈あるも、お客様に試し弾きをしてもらう。
私の知っているピアノとは違う音だったが、不快ではなくむしろ気持ちの良い響きであった。
深く反省し、考えを改めた一瞬だった。
楽器に罪はない。
罪があるとしたら楽器を作る職人の資質。
粗悪な材料で、楽器を作るにふさわしい技術もなく、音楽に対する愛情も無い、楽器を作る資格のない職人の作った楽器は不幸である。
楽器に罪はない。
罪があるとしたら一生懸命生まれて来た楽器を育てる事や、正しいメンテンナンスを施してやらない人間の責任。
楽器に罪はない。
ピアノは一般的には調律師が調整をする。
その楽器の事を正しく知らなければ、楽器のベストの音を引き出せない。
調律師だからどんなピアノでも調律出来ると考えるのは、建築士だから防音も出来ると思う勘違いと同じ。
フライにして食べると一番美味しい食材を、見た目だけで別の料理にして食材の価値を落とす料理人にも等しい。
楽器に罪はない。
人により好みは千差万別。
自分の好きな音は、誰もが好きな音ではない。
行列の出来るラーメン屋が全ての人が美味しいと感じるわけではない。
このピアノを生涯の伴侶とした人に失礼である。
ラインなら聞きたいときにすぐ聞ける!
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