サウンドチューニングパネル(STPW)
原音を加工することなく、限られた空間で音の響きを整えることができる当社オリジナルのサウンドチューニングパネルを紹介します。
目次
サウンドチューニングパネル(STPW)の開発意図 |
サウンドチューニングパネル(STPW)の開発意図
音楽室=防音室に遮音性能があるのは当たり前、最重要なのは内部音響と考え現在に至ります。
しかし、内部音響を作るための音響パネルを楽器・奏者の好み・室形状・室の内装・開口部(窓・ドア)・楽器設置位置などの条件を考えながらおんkyパネルを設置していく作業は、誰でも出来る簡単なものではありませんでした。
また、従来の吸音主体の音創りは、少なからず楽器の持つ原音を加工する事になるのではないか?という疑問もありました。
楽器の原音を一切触る事なく、奏者が自らの耳で好みの音響を決め、
かつその音は床・壁・天井の全ての部位で均一に響かせる事が出来ないか?
それが開発意図です。
床・壁・天井などの内装の仕上がり素材や、温度・湿度・季節・奏者の体調などの条件により音は変わります。
完璧な音響にする事は不可能ですが、吸音性のある材料の使用なしで音をコントロール出来るパネルとして「サウンドチューニングパネル」(以下STPW)を開発しました。
音響障害について
通常の洋室では中~高音域での残響が激しく、音が壁に当たると跳ね返り、跳ね返った音が更に跳ね返る事になり、結果として音同士がぶつかる事になります。
(床と天井との音のぶつかりも発生します。)
これがフラッターエコーといわれる音響障害です。
音が反射していくと定在波という現象も発生します。
部屋の中の場所によって音質が変わったりする現象です。
長方形・正方形の部屋で起こりやすく、相対する壁同士の距離の比率が単純な整数倍のものほど顕著です。
例えば4.5帖なら2,700ミリ✕2,700ミリ=1:1、6帖なら2,730ミリ✕3,640ミリ=3:4という具合です。
(図では4.5帖での定在波の例を示しています。)
以上のようにフラッターエコーや定在波を発生しないようにしようとすれば、音楽ホールのような形状が望ましいのですが、現実には無理です。
STPWは曲面になっているため反射面に設置する事で反射音をまっすぐに反射しないので、フラッターエコーの軽減となります。
すなわち吸音材を使用しなくても音のぶつかりが無い事になります。
部屋の壁や天井の2分の1や3分の1のポイントに設置したり、部屋の隅に設置する事で室形状を変える事になり定在波の発生を抑えます。
床から天井近くまでをカバーするので、室全体の響きをコントロール出来ます。
サイズと素材にについて
W300、D100にしたのは理由があります。
Wが大きくなるとまっすぐに近くなるため取り付けた対面の壁に近く正対するからです。
H1,800にしたのも理由があります。
床から100~1,920までの範囲ならほとんど壁面の音響が変わらないからです。
すなわち立って演奏しても、座っても演奏しても同じ音環境となります。
そして表面材はわずか2.5ミリの合板です。
固い素材は中音・高音を反射し、低音は吸音する性質がある事もこの素材にした理由です。
壁と壁との隅、床と壁、壁と天井などのコーナーは低音が溜り安く、場合によってはブーミングという音響障害を発生します。
STPWの中は空洞にしており、この空洞に音を入れ内部で音を逃がす作用も狙いでした。
STPWの特徴のまとめ・設置参考例
各コーナーに設置する事で、音の溜まりを拡散する事で無くします。
正対した壁(天井も含む)に設置する事で、音のぶつかりを軽減します。
また、床から離して設置する事で、不要な低域の吸音をします。
軽量でビスで固定出来るので取り付けが容易です。
吸音材を一切使用しておらず音を拡散することを主にしているので、原音が変わりません。
ドラムやエレキベースなど音圧・音量のある楽器などの対応も可能となります。
STPWの語源
発想から発売まで約3年掛かりました。
試作品の製作で、製作を担当する和田より
「300ミリ幅は難しい。450ミリなら何とかなる。変更出来ないか?」
などの相談を持ち掛けられました。
私は頑として譲らず、300ミリに固執した結果、和田は知恵と技術を振り絞りSTPWを完成させてくれました。
STPWはサウンドチューニングパネルワダの略です。
製作者の和田の努力に敬意を評してSTPWとしました。
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