何事もそうだが、習い事の最初は教わる先生が大変に重要。
かく言う私も最初に防音のイロハを習った時は、盲目的に信じてしまった苦い経験があり、途中から「あれ?なんだか納得いかない!」で疑問が噴出し、自ら調査、実験などを繰り返し現在に至っているわけです。
そして音楽でいえば、学校の音楽の時間は極めて退屈で、苦痛の時間でありました。
学校の授業よりもラジオで聞く曲の数々に、はるかに魅了されたものであります。
さて昔話です。
かつて私が所属したバンドのキーボディストM氏はピアノの先生でした。
教え方が当時としてはかなりユニーク。
退屈な指練習のエチュードは極力なくし、生徒が好きな曲を生徒用に自らアレンジしてその曲を弾かせる。
その曲を弾きたいから生徒は練習する。
好きな曲を弾けるようになるために、退屈なエチュードも並行して行う。
生徒は納得してエチュードをこなすなど、練習曲の必然性を実践したレッスンを彼はおこなっていたのです。
演奏能力を上げようと思えば、嫌な事もしなければいけない。
嫌な事をしたら好きな曲も弾けるようになる。
アメとムチです。
アメとムチの使い分けをして生徒にやる気を起こさせる。
彼はそんなレッスンをしていたのです。
初心者に入りやすいレッスン方法を実践していたと思うわけです。
ちなみに、M氏の発表会では2年連続で最後の演奏はM氏も加わったバンド演奏。
しかも4曲以上。
クラッシックのピアノ発表会のトリでバンド演奏は、現在でも極めて異例では?
ちなみにロックではなくフュージョンの曲ばかりの演奏でしたが、生徒1曲に対し我々の方が曲数が多かったわけです。
彼の事を思うにつけ、大人になって再び楽器を始めた人と話すと、時たま「音楽は好きだったが、教室に行くのは苦痛だった。」の声。
なぜ苦痛だったのか?
それは旧態依然とした初心者への教え方に問題があったのでは、と思ってしまいます。
おそらく、M氏も苦痛を感じながら教室に通っていたから、独自のレッスン方法を編み出したのでは?と、勘ぐっております。
最近は大人のレッスンなどが増えてきた。
アメとムチ指導法が普及していることを期待しております。
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