【防音室の性能を確認するためのタッピングテスト】
床衝撃音の検査にはタッピングマシンなるものを使用します。
要は、マンションなどで歩きまわったり物を落とした時に、下の階にどの程度響くかの検査に使用されます。
遮音フローリングの性能を調べたりなどするときにも使用されます。
他には、音を鳴らして測定したりする方法もよく使われる手段です。
実際のタッピングマシンというのは、小さいタイヤを床に機械で叩きつけて階下で計測します。
普通の何もしていない床と、遮音フローリングを貼った床との比較。
元々どの程度の遮音性能を有する床かを調べるのに有効です。
当社では『防音室を施したが性能が出ていない』などの場合に、タッピングにより検査する場合があります。
タッピングテストと呼んでいます。
※二人での作業となります。
用意するものはゴム付きのカナズチと聴診器です。
※タッピングマシンは床に置いて使用するのですが、壁なども調べる必要があるため人力により施すわけです。
床のテスト
聴診器で防音室内の床をチェックする
防音室以外の床をカナズチで規則的に一定の力で相方に叩いてもらう。
他方は防音室の床で確認する。
この時に、一応浮床を施していれば聞こえないはず。
聴診器を耳に当て、はっきりと聞こえる場合、その場合は防音室を施していない床も同じように調べるわけです。
防音室は宙に浮いていないので、ある程度の音は確認される理屈です。
しかしながら、防音室の床と他の床での比較がまったく同じ結果なら、浮床になっていない事になります。
すなわち、床を通じて音が伝わる「固体伝搬音」が発生している事になります。
壁のテスト
外壁を相方にカナズチで叩いてもらい、防音室内で確認です。
これは聴診器を使わなくても耳に聞こえます。
本来は音が壁に当たると、
① 跳ね返す音
② 壁に吸収される音
③ 壁を通り抜けて行く音
となります。
防音室は部屋の中に部屋を作るので、この動作を再度繰り返しているわけです。
少し小さく聞こえたら正解で、その小ささがどの程度かが遮音性能となります。
問題なのは、防音室以外の部屋で同じ事を繰り返して、防音室と結果が変わらない場合。
そしてもっと問題なのは、手に衝撃音を感じる場合です。
手に衝撃音を感じるという事は、防音室の壁と建物の壁がくっついているという事になります。
サウンドブリッジを起こしているという事になります。
固体伝搬音を発生しているという事になります。
ものすごく強い力で叩けば、いくら空気層を設けていても多少は手に衝撃音は感じます。
でも、普通に叩いて衝撃音を感じるという事は、壁がくっついているという証拠になります。
いくら自称防音業者が「壁・天井は空気層を取っています。既存の壁には触れていません。」と証言しても、壁がくっついている動かぬ証拠になるわけです。
解体すれば更に明らかになります。
ゴム付きのカナズチと聴診器など実にシンプルな道具ですが、このようなタッピングによるテストには実に有効です。
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