「悪魔のサウンドブリッジ」に魂を売らなかった設計士・片山の場合

サウンドブリッジ

バンドの名前みたいですが、勿論音に関わる事です。

サウンドブリッジ」とは、むかし私が某大手メーカーの上級研修のときに出てきた言葉です。
それが今の防音室の遮音構造を作る上での絶対的なポリシーとなっています。

防音室ディオラボは部屋の中に部屋(防音室)を作るのですが、床以外は絶対に壁・天井に接しないのをポリシーにしています
なぜかというと部屋の壁や天井に接してしまえば、そこより音が伝わるからです。

「部屋が勾配天井であったり、梁などがある場合はどうしたら良いか?」 と、昔は悩みました。
(特に梁と梁が交差している場合です。)

マンションなどで梁(下がり壁)がある場合は、その形状に合わせて防音室を設置するためには防振吊り金具などを使用する。

設置するお部屋が勾配天井などでは、これも防振ゴムを併用して防音部材を設置する。
または、勾配は無理なのでお客様にあきらめてもらいフラットな天井にする、とういうのが当時所属していたメーカーのやり方でした。

宙に防音室を浮かせられないから、防音室は設置する部屋の床に接しなければどうしようもない。
(床を通じて音が伝わるのは嫌なので、独自の浮床に繋がるのですが)

とにかく、床以外の壁・天井の防音部材が部屋の壁・天井に接する事は、私にとっては許しがたい事でした。

 

「勾配天井は残してほしい。」

「わずか幅60ミリの梁も生かして、部屋を少しでも広くしたい。」 

など、遮音性能とお客様のリクエストを聞くにつけ、「防振ゴムは絶対に使用しない。いかなる理由があっても、床以外は部屋の壁・天井には接しない。」 と、改めて思いました。

そして、床で壁を支え、壁で天井を支える設計をすれば、お客様のリクエストを叶える自立構造が可能という事が分かりました。

現状の部屋の形をなぞれば良いだけなのです。
当たり前なのですが。

コストを抑えたい場合は、梁逃げ処理や勾配天井の処理は最低限にします。
フラットな天井にする場合もあります。

全てはお客様との話し合いで決まります。


いずれにせよ、防音室は床以外は空気層(隙間)を設けて設置します。

防音室のどこか一箇所が触れると、そこから音が伝わります。
いわゆるサウンドブリッジとなります。

ほんの少し触れるだけなら大丈夫かもしれない。

確かに防振ゴムを使用して伝わりづらくするのも方法ではあるのです。
部屋の壁全部に触れる面接触より数箇所だけの点接触の方が無難かもしれないのですが、点で伝わる音は意外に大きい場合があります。

例えば糸電話など。

冷蔵庫の横で寝て耳を床に付けると、実にモーター音が良く聞こえます。
点接触の恐ろしさです。

本当は床もくっつけたくないのです。
防音室自体が部屋の中で宙に浮いていれば理想的です。

そこで行き着いた答えが次回で述べる独自の浮床になります。