【聴覚過敏症】
耳慣れない言葉ですが、今までこのような症状で相談を受けた事が何度かあります。
楽器を弾くと、その音が耳に痛いという症状です。
または、それに類似した大きさの音に反応してしまうものらしいです。
相談を受けて色々と調べたところ「聴覚過敏症」という病気らしいです。
いままで4件ほどの事例がありました。
そのうち2件のお客様は通院で治ったようです。
楽器は日常音と比べ確かに音が大きいため、知らず知らずのうちに耳に負担をかけてしまっています。
先日の事例
その症状に悩まされているであろうお客様と面談しました。
昨年の9月頃、発表会の準備でいつもより多くピアノを弾いていて、その後症状が出たとの事です。
お客様の希望は「ピアノの音を小さくして欲しい」でした。
それは出来ます。
出来ますが、オーダーであってもすぐに取り掛かれない事例です。
耳を以前の状態に戻して頂くのが一番良いのです。
日常生活では楽器の音は確かに生活音よりも大きいのですが、生活音より大きい音を耳にする事はけっこうあります。
例えば地下鉄構内の音、大雨の時、車のクラクションなどいくらでもあります。
お客様のQOL(Quality of life、今後の生活)を考えた場合、耳が以前の状態に戻るのが一番良いのです。
私はお医者さんではないので、防音堂の立場よりどんな事が出来るかを説明しました。
1.病院に行く事をまずオススメしました
耳鼻科の領分と思われがちですが様々な要因により起こるらしいので、このような症状に対応出来る病院を探し適切な治療を受ける事をオススメしました。
2.耳に音がやさしく入射する対策をアドバイスをしました
現状は、他社メーカーの防音室内にピアノをこのように配置されています。【図1】
サッシが出入口です。
サッシ以外は床・壁・天井は吸音性です。
サッシは反射性なので音のバランスが実は悪いわけです。
音の響き方の好みには個人差があるのですが、一般的にはこのような音の配置に設定します。【図2】
奏者の左側(低音部)は反射とし、右側は左側の反射音を受け止める(吸音)処理が必要です。
どのようにして受け止めるか?
カーテンです。
処理すべき場所がサッシと腰窓になっていますが、この部屋にはカーテンがありません。
生地の厚いカーテンを用意し、なるべくヒダの多いものを設置です。
3.楽器の配置を変えるアドバイスをしました
このように配置すると、現状のサッシ以外の床・壁・天井は吸音性なのでバランスが良くなると思います。【図3】
音の好みは個人差があります。
私の考えは絶対ではありません。
単なるアドバイスです。
でも、現状より良くなると思っています。
もし部屋の響きに?を感じていたら、以上の処理はそれほどお金はかかりません。
試してみる価値はあると思います。
4.STPRの導入アドバイスをしました
音の反射の位置を変える。
すなわち耳への入射の角度や楽器音の反射する位置を変えるSTPRの説明をしました。
奏者の耳により自分で位置を変えるアイテムの説明です。
耳が治っても無駄にはならないので、検討して頂いても良いかと思いました。
5.ピアノサウンドアタッチメントのご紹介をしました
ピアノの音質を変えずにピアノの音を≒10dB(デシベル)ほど小さくするアイテムです。
かなりの長時間ピアノを弾く人のオーダーにより、奏者の耳を守るために作りました。
聴覚過敏症ではなく「長時間のピアノ演奏により耳が疲れるからなんとかならないか?」とユーザー様より相談を受けて開発したものです。
テーマは、音質を変えず少しだけ小さくです。
一日中ピアノの音を聞いていたら確かに疲れます。
オーダーメイドです。
一品対応です。
それなりにお金はかかります。
今回のケースではあまりオススメしたくありませんでした。
「オススメしませんが」と言い紹介のみしました。
元の耳に戻って頂くのが一番のベストです。
丸一日ピアノを弾く人ではないのです。
この病気は音楽をしていない人でもかかる事があります。
楽器の音は事実、生活音より大きいのですが日常生活をしていると大きな音に遭遇する事は多々あります。
誰もがかかる可能性はあります。
ロック音楽が好きで、大きな音の方が好きな私などかかる可能性は大きくあります。
正直なところ、耳が悪くなったら仕事が出来なくなります。
自重しなければ、自分を戒めなければです。
意思が弱い、自分に甘い私です。
耳に負担のあるヘッドホンでの音楽鑑賞などは避けるか、最低限の音量にするなど気をつけたいものです。
後悔先に立たずは避けたいものです。
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